補助金申請でSWOT分析の結果をそのまま書いてもダメ。補助金申請での書き込み内容とポイント解説

この記事のポイント

補助金申請では、各種の分析を記載する箇所があり、公募要領で指定されることが多いです。例えば、事業再構築補助金の事業計画書では以下の内容を記載するよう公募要領で指示されています。

② 2ページ目以降に、現在の事業の状況、強み・弱み、機会、脅威、事業環境、事業再構築の必要性、事業再構築の具体的内容(既存事業との違い(特に顧客の違い)、(中略)
③ 補助事業を行うことによって、どのように他者、既存事業と差別化し競争力強化が実現するかについて、(以下略)

事業再構築補助金公募要領より

赤字で示している強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)が今回のSWOT分析です。

SWOT分析自体は「SWOT分析とは」などで検索すれば出てきますので、そちらの内容をご確認ください。大体同じような内容が記載されていますので、いくつか見れば理解できるかと思います。クロスSWOTなども理解しておくと、なおよいと思います。

この記事では、SWOT分析とは何かではなく、実際に補助金申請ではどのようなSWOT分析を記載すべきかに焦点をあててお伝えします。

目次

実際のSWOT分析≠申請書に記載すべきSWOT分析

まず、自社の分析で行ったSWOT分析を補助金申請にそのまま記載すればよいわけではありません。これは、SWOT分析を丁寧にやる必要はないということではありません。そうではなく、全てを記載する必要はないという意味です。なぜなら、補助金申請にはその中でストーリー性と一貫性が必要だからです。

例えば、全社的にみると「人材不足や後継者不足という弱み」があるとします。ただし、今回の補助金申請で申請する補助事業で現在の弱みが改善できないのであれば、補助金申請のSWOT分析にこの弱みを記載する必要はありません。審査員が申請書を最後まで読んだ後に、「この弱みはどうなったの?」とならないようにしましょう。

逆に御社で弱みと考えていない(いなかった)ことを弱みとして記載するのは、場合によってはストーリー性が作れます。例えば、BtoBの企業で対個人は今まで対象にしておらず、今回の補助金申請で個人顧客をターゲットにした新市場を開拓するとします。このような場合、「個人向けの販売チャネルがなく、主要取引先の受注減があると売上が不安定」といった弱みをあげます。こうすることで、今回の補助金を使って売上基盤の弱みを解決しようとしているんだなというストーリーが出来上がります。

ただし、これはあくまで例の1つで、実際の補助金申請では『弱みの克服』よりも『強みをどう活かすか』を重視した内容が望ましいです。また、ここでは市場調査は割愛しますが、ターゲットの明確化や顧客ニーズがあることなどは大前提です。

事業再構築補助金の採択事例でSWOT分析を確認

事業再構築補助金の採択事例で紹介されている事業計画書に記載されているSWOT分析を見てみましょう。こちらの企業は石油化学プラントの改修向けのクレーン作業やプラント組み立て作業を行っています。また、近年洋上風力発電所の建設サービスに参入しています。

事業者株式会社電材エンジニアリング
類型新分野展開
事業計画の概要脱炭素社会を支える風力発電設備の運用管理・保守・技術者養成事業

実際の記載は資料を確認してください。簡単に書くと以下のようなイメージです。

SWOT分析

これをクロスSWOT分析した結果が下の内容です。

クロスSWOT

この企業が申請している補助事業は2つで、①運用管理・メンテナンス事業、②メンテナンス技術者の育成事業です。SWOT分析の全ての内容をうまく網羅したよい内容だと思いませんか?

事業①は強みと機会を活かして脅威の影響も小さくする内容になっており、アンゾフの成長マトリクスでは『新市場開拓戦略』にあたります。事業②は自社の弱みの克服に加えて、他社も同様の弱みがあるのではないかと目をつけ事業化している点が面白いと思いました。こちらは『新製品開発戦略』です。

新事業進出補助金などでは成長戦略との関係も考えたいところです。

審査員に納得してもらう内容を心掛けてください

SWOT4つをすべてうまく使う必要はないと思います。ただし、申請する補助事業にSWOT分析の『強み』や『機会』が入っていない、記載されている『弱み』がそのまま放置されているといった内容にならないようにしたいところです。

ただし、記載内容を審査員の好みに寄せるのはテクニックが必要になる部分も多いです。SWOT分析以外の部分でも審査員が好むであろうキーワードを盛り込みたいところです。

専門家を利用していただくと、申請書の理解・準備・お作法的な部分これらは思ったよりも大変です!での経営者様の労力を減らして、結果的に採択率が高い申請書を作成できる可能性が高くなります。逆に貴社の分析や事業の中身は私たちには難しい部分です。専門家を利用していただく際には、事業のプロである経営者様と、申請の専門家で一緒に作り上げる気持ちで進めていただくとよい申請書が出来上がります。

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